番外編 安藤忠雄展 レポート

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少し前に、六本木の国立新美術館で開催中の安藤忠雄展に行ってきました。

安藤忠雄展-挑戦- 国立新美術館開館10周年

『安藤忠雄展 ─挑戦』記者発表:安藤忠雄による特別講演 - YouTube

安藤忠雄スペシャルインタビュー『安藤忠雄展 ―挑戦― 』 - YouTube

いつもは、知ったときには見たい展示がすでに終わっていて

ガッカリなんてことも多いのですが、

ゴロウデラックスに安藤さんが出ていたときに

無事に情報をキャッチしました。

そしてまだまだなんて思っていると、あっという間に最終日になるのが常なので

近くで予定があったので、速やかに参戦しました。

(雨だし、突然寒くなったから、もしかしたら空いているかもしれない

という思惑もありました^^)

 

安藤忠雄は昔から好きです。

現代において、(龍馬がゆく+岡本太郎)÷2みたいなワクワク感(?)を

感じるような生き方を地でいく人はなかなかいないでしょう。

最近の建築は追えていませんが、著書や関連書籍は結構読んだ方です^^;

ちなみに、多くの人がそうであるように

住吉の長屋光の教会が好きです^^

住吉の長屋 安藤忠雄 Row House in Sumiyoshi Ando Tadao - YouTube

Iglesia de la Luz - Tadao Ando - Maquetas XYZ - YouTube

ほかに、靭公園の住宅(室内からの臨む公園の借景が好きです^^)や

4×4の家、フォートワース現代美術館などが好みです。

公共建築などもたくさん手がけられていますが、

制限のあるところに力を発揮する建築家だと思います。

 

最寄り駅は乃木坂にしました。

以前は、六本木で降りて少し歩いたように記憶していますが

乃木坂で降りると直結で行けてアクセスの良さに感心しました。

普段は音声ガイドは借りないのですが、事前に安藤さんご本人の

解説だからオススメというのを見て、迷わず借りました^^

長さは、35分ほどで、15の項目に分かれています。

途中で音声ガイドの番号を見失いましたが、

聞いていないところは、他の展示を見ながら聞きました^^;

軽快な安藤節で、様々なエピソードが語られ、

安藤さんにガイドしてもらえているようで楽しかったです^^

(展示に先駆けて行われたインタビューから抜粋したものだそうです。)

 

展示は、ボリュームがあり、1つにつき写真と説明、模型、映像が

セットになっていて、それらを1つづつ辿っていくだけでも

2時間くらいはかかると思います。

私はそういう風に見て、1時間半で最後少し駆け足になってしまったので。

展示風景は、このような感じです。

「安藤忠雄展–挑戦–」会場ダイジェスト [Tadao Ando: Endeavors] - YouTube

 

展示は、外国の人もいて熱心に見ていました。

私は、特に個人住宅のところが好きでした。

住吉の長屋を始めとする日本の様々な個人住宅や

マンハッタンのペントハウススリランカの海崖に建つ住宅、

イタリアの見えない家など、海外の個人住宅も展示され

実際に住んでみてのクライアントからのコメントが特に興味深かったです。

そして世の中にはこういう美術館のような家に

住んでいる人もいるのだな〜と

そういう意味でも印象に残りました^^

 

後は、安藤さんが、コンペに出したけど、

選ばれなかったグラウンド・ゼロ

テートモダンの案なども展示されていて、

そういう実現はしなかったプロジェクトも

大切にしているのだなぁと。

(後に、テートモダンの案は、国際子ども図書館の構想に生かされるのですよね^^)

 

ほかに、本を読んで印象に残っていた、頼まれもしないのに

勝手に案を考えて持って行った中之島プロジェクトのはなしに

しっかりスペースがあったところがステキだなと(笑)

しかも、現在は子ども図書館を寄付なんてプロジェクトが

立ち上がっているなんて…。

建築家の安藤忠雄氏が大阪市に寄付提案 - YouTube

相変わらず中之島のこと、気にかけていらっしゃるんですね^^

大阪の皆さまがうらやましい^^

 

光の教会はてっきり、会場の外に別にあるものと

思っていましたが、会場の途中の外に出られる

スペースにあるのですね。

実際に見て、やっぱり好きだなぁと。

最低限の中に必要なものがすべて含まれている空間。

足りないものは、そこに集う人たちで、もちろん

それこそ一番重要な要素ではあるのだけれど、

かえって箱だけなところにむしろ、建築の意味が

浮かび上がってくるような気がしました。

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実際の建物も好きなのですが、

もしかしたらそれ以上に好きかもしれないのが

光の教会が建つまでのノンフィクションです。

 

光の教会―安藤忠雄の現場

光の教会―安藤忠雄の現場

 

 

施主である牧師さんや信者の方々、安藤さん、安藤事務所の担当者水谷さんや

竜巳建設の一柳社長や現場監督の那須さん、職人さんなど、

建築に関わる登場人物の様々な思いが交錯する中、

予算、建築上の問題、安藤さんの突然の思いつき(!)など

現実に立ちはだかる様々なハードルを超え建物を形にするまでの物語。

笑いあり涙あり感動ありで、小説のように魅力的な読み物。

著者の平松さんの筆力も相まって、リピートして読み返しても

また次から次へとページをめくってしまうという。

激しくおススメです(笑)

 

新聞連載に、今回の再現版光の教会には、

7000万円かかっていて事務所の自前とありました^^;

実際の光の教会は3500万円くらいだったのに

と書かれていました。

そういうものを作ろうということもスゴイですし、

それだけですでに見に行く価値があるなぁと思います。

 

展示全体から感じたのは、見に来る人を楽しませよう、

喜ばせようというサービス精神がハンパないことです^^

ものすごい展示のボリューム感や光の教会を再現してしまったことはもちろん、

本人が来て、30分間フリートークするなんてイベント(申込不要)を

8回もしてしまうんですよ、お忙しいだろうに^^;

(その後も続々と日程を追加中www)

後は、驚いたのが近郊の安藤建築を巡るスタンプラリーで

私はてっきり美術館や施設で、連携している企画とばかり思っていたら、

スタンプが揃った後の送付先が大阪の安藤事務所で、抽選して当選者に

グッズを送るなんて書いてあってwww

本人の音声ガイドといい、もう本当に、サービス精神が旺盛すぎる人ですよ。

自らもこんなに関わる人っているのだろうかってくらいwww

図録もカラーでこれまでの代表的な安藤建築が載っていて、

分厚く本のようで、本人のイラスト&サイン付きで1980円。

お得感満載だなと思いました。

(代表的な安藤建築のイラストにサインという形のせいか

図録をめくってお目当ての建物のものを探す現象が発生^^; )

こんなのチケット全然高くないです。

本当に参りました。控えめに言って安藤忠雄最高です。

沢山の人に来場してもらって、再現版光の教会の穴を埋めてもらいたいです(笑)

(事務所の収益にはならないか^^;)

 

帰りに見かけたのですが、この展示は小・中学生は無料。

高校生は、11/3〜5が無料(要学生証)です。

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該当する皆さまはぜひ利用してください^^